耐震リノベーションとは?したほうが良い判断基準と工事内容・費用相場を解説

2026.04.27
耐震リノベーションとは?したほうが良い判断基準と工事内容・費用相場を解説

地震が多い日本において住宅の「耐震性」は、家づくりの際の重要なポイントとなります。とくに築年数が経過した住宅に住んでいる場合、今後も安全に、安心して暮らせるのかどうか、不安に感じている方も多いことでしょう。

そんな不安を解消する方法のひとつが、「耐震リノベーション」です。構造部分をしっかり補強し、安全に過ごせる住まいへと生まれ変わらせることで、今後の暮らしへの大きな安心感につながります。。

この記事では、耐震リノベーションの基本や判断基準、工事の内容や費用相場についてわかりやすく紹介します。

家の安全性を高めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

概要

耐震リノベーションとは?

耐震リノベーションとは、住宅の構造部分に耐震補強を施し、地震に強い家へと改修するリノベーションのことを指します。

とくに1981年以前に建てられた「旧耐震基準」の住宅では、現行の耐震基準を満たしていないケースもあり、大地震の際に倒壊や損壊のリスクが高まります。

耐震リノベーションを行うことで、今の住まいを安心して長く住める家へと、生まれ変わらせることができます。

耐震リノベーションを行った方が良い理由

耐震リノベーションは家族の安全を守ることにつながります。

築年数の経った家は、十分な耐震性能が備わっていないケースも少なくありません。耐震リノベーションで基礎や構造体に補強を行うことで、家そのものの強度を向上させることができます。

家族の命を守る備えとして、大きな安心感を得られるのは耐震リノベーションの最大のメリットです。

また、耐震リノベーションは壁や床の内側に手を加えるケースが多いため、それにあわせて間取りや内装を整えることも可能です。構造だけでなく、暮らしやすさも同時に見直せるのが、リノベーションによる耐震補強の魅力です。

耐震リノベーションが必要となる基準とは

すべての住宅に耐震リノベーションが必要というわけではありませんが、古い住宅や耐震性に不安のある家に住んでいる場合は、早めに対策を考えたほうが安心です。

ここでは、耐震リノベーションを検討すべき主な目安について紹介します。

1981年5月31日以前に建てられた家

耐震基準は1981年6月1日に大きく改正されています。それ以前の建物は「旧耐震(基準)」と呼ばれ、現行の耐震基準を満たしていない可能性があり、大きな地震が訪れた際の倒壊のリスクが高いと考えられます。

万が一のときに家族の安全を守るためにも、1981年6月以前に建てられた住まいは、耐震リノベーションを検討したほうが良いでしょう。

耐震等級が2未満の家

耐震性能を示す「耐震等級」は1〜3まであり、数字が大きいほど地震に強い構造となります。

耐震等級

耐震性能の目安

3

等級1の1.5倍の強さ。消防署など防災拠点で採用される

2

等級1の1.25倍の強さ。学校・病院などに推奨される水準

1

建築基準法レベルを満たす最低限の耐震性

耐震等級が1の家は、震度6強〜7程度の地震で倒壊しない最低限の強さとされています。しかし何度も繰り返し揺れが発生すると、建物にダメージが蓄積され強度が落ちていく可能性があります。

そのため耐震性能が2未満の場合、できれば2以上、より安心を求めるなら等級3を目指して、耐震リノベーションをしたほうが安心です。

耐震診断も受けておくと安心

リノベーション時に耐震補強工事が必要か、その場合、どれほどの補強をすれば良いのか不安な場合は、耐震診断を受けることも検討してみましょう。

耐震診断を行うことで、現在の建物の状態や構造的な弱点となる部分などが、明らかになります。

耐震診断の費用は、木造住宅の場合でおおよそ12〜25万円前後が相場です。ただし、リノベーション会社によっては無料で耐震診断を実施しているところもあります。耐震診断を希望する場合は家づくりを依頼するリノベーション会社に相談してみるとよいでしょう。

リノベーションで行う耐震補強工事の場所

耐震リノベーションを行う際は、建物全体のバランスを見ながら、必要な部分に補強を行っていきます。

ここでは、耐震リノベーションの代表的な補強ポイントについて紹介します。

基礎の打ち増し・修復

建物の土台となる「基礎」は、耐震性に大きく関わる部分です。古い住宅では、ひび割れがあったり、鉄筋が入っていない「無筋コンクリート基礎」の場合もあります。

耐震リノベーションでは、既存の基礎にアンカーボルトを打ち込み、鉄筋コンクリートを打ち増しする方法がよく用いられます。既存の基礎の劣化が激しい場合は、基礎を撤去し新しい基礎に入れ替える「打ち直し」を行うケースもあります。

ひび割れがある場合はモルタルでの補修や、炭素繊維シートを貼り付けて、強度を高める工法が用いられることもあります。

土台の交換・シロアリの駆除

木造住宅では、基礎の上に木の土台が乗っています。

この部分が腐っていたり、シロアリが発生していたりすると、建物全体の耐久性が大きく損なわれてしまいます。

耐震リノベーションでは、劣化している部分の土台を新しいものに交換したり、シロアリ被害がある場合には駆除や防虫処理を行ったりして安全性を確保します。

壁の追加・補強

建物を横からの揺れに強くするには、壁の補強が効果的です。

たとえば耐震パネルを使った「耐力壁」を新たに追加したり、筋交い(すじかい)を入れて構造を強化したりします。家全体を支える力が偏らないよう、1階と2階の同じ場所に壁を設置するよう、間取りを調整することも効果的です。

接合部分の補強

建物の柱や梁(はり)、土台など、家の構造部分の強度は、耐震性と深いつながりがあります。それぞれがしっかり固定されていないと、地震の揺れで柱がズレたり梁が倒壊したりするリスクが高くなります。

とくに、柱が梁とつながる「柱頭」、土台とつながる「柱脚」部分などを、補強金具を用いてていねいに補強することで、家全体の耐震性が高まります。

屋根・壁の軽量化

建物の重さが大きいほど、地震の揺れによる影響は大きくなります。

古い瓦屋根は頑丈ですが重量があります。耐震リノベーションで軽量な金属屋根に替えることで、住まいの強度もアップします。また、昔ながらのモルタル外壁をサイディングに張り替えて、全体を軽くするという方法も有効です。

建物の重さが軽減することで建物が安定し、倒壊リスクの軽減にもつながります。

柱の入れ替えや追加

老朽化した柱は、そのままでは耐震性を損なう原因になります。

耐震リノベーションでは柱の状態やその他の構造部分などを確認したうえで、劣化が見られる柱は新しいものに入れ替えます。

また、古い住まいは柱の本数が足りていないケースも珍しくないため、耐震リノベーション時に構造バランスを見ながら、適切に柱を設けることもあります。

家具の補強

見落としがちですが、家具の固定も大切な地震対策のひとつです。食器棚や本棚が倒れてケガをしたり、避難経路をふさいでしまったりするのを防ぐため、耐震リフォーム時に壁に金具で固定するなどの対策を行います。

また、リノベーション時に造作家具をつくり家具を建物の一部とすることで、転倒のリスクを防ぐ方法もあります。

耐震リノベーションを行う場合の費用相場

日本木造住宅耐震補強事業者協同組合が2021年3月に発表したデータによると、耐震リノベーションの平均施工費用の目安は以下の通りです。

※こちらの金額はあくまで耐震補強の金額と思われます。耐震診断基本データの資料が見つけられませんでした。

おそらく、耐震リノベーションの金額ではないため、費用部分を削除いただきたいです。

古い住宅ほど基礎や構造の劣化が進んでいる可能性が高く、その分、補強工事の範囲が広がるため、費用が高くなる傾向にあります。

ただし補強の内容を絞ってコストを抑えることも可能です。また、耐震補強工事と同時に他の部分のリノベーションを行うことで、総合的な費用負担を軽減することもできます。

耐震リノベーションで活用できる補助金制度・所得税控除

住宅の耐震性を向上させることを目的としたリノベーションでは、「長期優良住宅化リフォーム推進事業」の補助金制度を活用できる場合があります。

・補助上限:80万円~160万円/戸

・性能向上水準に応じて加算あり

また、築年数の古い家に耐震リノベーションを施す場合、自治体からの補助金や所得税控除などの優遇制度が受けられる可能性があります。

これらの補助金を利用するためには着工前の申請が必要な場合が多いため、工事を始める前に条件や必要書類などを確認しておくと安心です。

 

※ 2026年2月現在、令和7年度の交付申請は終了しています。継続的に実施されている事業ですが、最新の募集状況や次年度の実施については、公式サイトをご確認ください。

 

また、所得税控除は全国共通の制度ですが、各自治体が発行する耐震改修証明書などが必要になる場合もあります。そのため、所得税控除を検討する場合も、事前に自治体に相談しておくことをおすすめします。

まとめ

耐震リノベーションは、住まいの安心を守るための有効な選択肢です。

古い住宅であっても、構造を見直し必要な補強を施すことで、地震に強い家へと生まれ変わらせることができます。

耐震リノベーションの計画を立てる際には、まず耐震診断を受け、現状を正しく把握することが第一歩です。補助金や税制優遇といった制度も活用しながら、自分たちに合った形で、安全な住まいづくりを進めていきましょう。

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